2028年のストレスチェック義務化に向けて準備を進める中で、多くの経営者や人事担当者様が不安に感じているのが「高ストレス者と判定された社員が出たとき、会社としてどう対応すればいいのか」という点です。
「本人のメンタルが崩れて休職・離職につながってしまうのではないか」「医師の面談を拒否されたらどうしよう」「会社側に安全配慮義務違反のリスクが生じるのではないか」など、実務上の疑問や懸念は尽きません。
しかし、高ストレス者への対応は正しい手順(初期対応)と法律上のルールを理解していれば、恐れる必要はありません。むしろ、早期に発見して適切な手当をすることで、貴重な人材の離職や労務トラブルを未然に防ぐ絶好の機会となります。
本記事では、ストレスチェックで高ストレス者が確認された際、人事・経営者がとるべき正しい初期対応と注意点について解説します。
そもそも「高ストレス者」とはどのような状態か?
ストレスチェックにおける「高ストレス者」とは、単に「仕事が忙しくて疲れている人」を指すわけではありません。国のマニュアルに基づき、以下のいずれかに該当する人物が判定されます。
- 自覚症状(イライラ、不安、抑うつ感、身体の不調など)が非常に強く出ている人
- 自覚症状が一定以上あり、かつ「仕事の負担が重い」「周囲のサポートが得られない」という環境にある人
全体受検者のおよそ10%前後が高ストレス者として判定されるのが一般的な目安とされています。高ストレス者が出ること自体は組織としてごく自然なことであり、「自社の職場環境に問題がある」と過度に焦る必要はありません。
高ストレス者発生から事後措置までの「正しい4ステップ」
高ストレス者が確認された場合、企業は以下のステップで迅速かつ丁寧に対応を進めます。
STEP 1:個人結果の通知と「面接指導の勧奨」
ストレスチェックの結果は、実施者(医師や保健師、外部機関)から直接本人へ通知されます。高ストレスと判定された社員には、結果とともに「医師による面接指導を受けられること」および「申出窓口」が案内されます。
STEP 2:本人からの申し出受付とプライバシー配慮
医師による面接指導は、「本人の申し出」があって初めて実施されます。 申し出があった時点で、会社(人事担当者)は初めてその社員が高ストレス者であることを知ることになります。この際、「申し出をしたこと」や「高ストレスであること」が周囲の社員や上司に漏れないよう、プライバシー管理を徹底してください。
STEP 3:医師による面接指導の実施
申し出から原則1ヶ月以内に、医師(産業医や委託先の医師)による面接指導を設定します。 面接では、勤務の状況、心理的な負担の状況、心身の健康状態などが確認されます。費用は全額会社負担となり、面談に要した時間も勤務時間として扱うことが推奨されています。
STEP 4:医師の意見聴取と「就業上の措置」の実施
面接指導後、概ね1ヶ月以内に医師から「会社が講ずべき措置」についての意見聴取を行います。 医師から指導があった場合、会社は必要に応じて以下のような就業上の措置を講じます。
- 残業の禁止や深夜労働の制限
- 一時的な業務量の軽減や担当タスクの変更
- 部署異動や配置転換の検討

人事・経営者が絶対にやってはいけない3つの不適切な対応
高ストレス者対応において、法律違反や労務トラブルに発展しやすい危険な対応が3つあります。
① 面接指導を申し出たことを理由に不利益な扱いをする(違法)
「高ストレス者だから」「医師面談を希望したから」という理由で、解雇や退職勧告、不当な降格・減給を行うことは労働安全衛生法で明確に禁止されています。
② 本人の同意なく個人結果を上司や経営層に共有する(違法)
「心配だから」といって、本人の同意を得ずに高ストレス判定の結果を直属の上司に教えることはプライバシーの侵害にあたります。配慮が必要な場合でも、必ず本人の同意を得た上で必要な範囲のみ開示します。
③ 面接指導を無理やり強要する(または放置する)
医師の面接指導は本人の自由意思(申し出)に基づくものです。「全員受けろ」と強制することはできません。ただし、申し出がないからと放置するのではなく、「秘密は厳守されるので安心して受診してほしい」と受診を促す丁寧なアナウンス(勧奨)を行うことが望まれます。
まとめ:高ストレス者対応は「離職防止」の最大の予防策
高ストレス者への対応は、一見すると「面倒な労務手続き」に思えるかもしれません。しかし、社員がメンタルヘルス不調に陥り、休職や突然の離職に至ってしまう前に会社が手を差し伸べられる最大の防波堤です。
2028年の義務化に向けて、社内に産業医がいない場合でも「高ストレス者が出た際にスムーズに医師面談を設定できる外部ネットワークやEAPサービス」を整えておくことをおすすめします。
「高ストレス者への対応や、休職・離職トラブルを未然に防ぎたい」とお悩みの経営者・人事担当者様へ
従業員のメンタルヘルスやストレスチェック・組織課題のご相談は「レイジースタイル」へ
株式会社レイジースタイルでは、業界を問わず100社以上の企業様へメンタルヘルス支援やハラスメント対策、問題社員への対応サポートを行ってきた実績がございます。
ストレスチェックの実施代行や集団分析の活用支援をはじめ、外部相談窓口の開設、各種階層別・マネジメント研修まで幅広くご提供しております。
2028年のストレスチェック義務化対応はもちろん、若手育成や組織改善にお悩みの経営者様・人事担当者様は、まずはお気軽に無料相談へお問い合わせください。

